アガロースゲル電気泳動を成功させるための鉄則5箇条

アガロースゲル電気泳動を成功させるための鉄則5箇条

アガロースゲル電気泳動は、アクリルアミドゲルと異なり非毒性で分離できるDNAサイズの範囲が広いため、DNA断片の分離に最も広く使用されている技術です。今回は、アガロースゲル電気泳動を成功させるための鉄則を5つご紹介します!

1. DNAのサイズに合わせた泳動バッファーを選ぶべし!

アガロースゲル電気泳動でDNAを泳動するために使用されるバッファーの種類は、主にDNA断片のサイズと電気泳動後の実験に依存します。アガロースゲルを泳動するためのバッファーの中で、最も人気の高い2つのタイプがトリス-ホウ酸-EDTA (TBE) バッファートリス-酢酸-EDTA (TAE) バッファーです。この2つのバッファーは、中性に近いpHを有しているため、バッファー中のDNAは、負電荷を有し、ゲル装置の陽極(+極)に向かって泳動されます。

アガロース電気泳動後にDNAを抽出する必要がない場合や、小さなDNA(<1,000bp)には、TBEバッファーをオススメします。TBEバッファーは、高イオン強度及び緩衝能を有します。

TAEバッファーは、低電界強度(1-2 V/cm)なので、大きなDNA(12-15 kbp)を分離するのに使用するのがよいです。TAEバッファーに溶かされたアガロースゲルは、低い電気浸透、より大きな見かけの孔サイズ、及び低い電界強度を持つため、大きなDNAがスメアになりにくくなります

2. 最高の解像度を得るためには、DNAの量に気をつけるべし!

DNAサンプルの量は、分離したい目的のバンド中のDNA量によって変えましょう。検出できるDNAの最小量は、使用する染色剤に依存します。例えば、SYBR® Safe DNA gel stainを使用すれば、3ngのDNAを持つバンドを検出できます。また、はっきりと明確なバンドにするために必要なDNAの最大量は約100ngです

3. アガロースゲルの作成に気をつけるべし!

オススメのアガロースゲルの厚さは3~4mmです。5mmよりも厚いゲルを使用すると、バンドがぼやけたり、染色のバックグラウンドが高くなる原因になります。同様に、泳動バッファーは、水面の高さがゲルの3~5mm上になるくらいの量を使用します。バッファーがあまりにも多いと、DNAの移動が遅くなったり、バンドが歪む原因になります。

コームの厚さも重要で、バンドの解像度に影響を与えます。1mm程度の薄いコームを使用することで、非常にキレイなバンドが得られます。一方、厚いコームを使用すると、バンドの解像度が低下します。レーンが波打った状態になる場合があるため、コームについた残留物を除くためによく洗浄する必要があります。また、ウェル付近のゲルが崩れるのを最小限にするために、コームを外す前にバッファーを掛けておくと良いです

4. 実験に合わせてアガロースを選ぶべし!

DNAのサイズやその後の実験によって使用するアガロースの種類を変えることで、目的に適したバンドの解像度を得ることができます。適切なアガロースを選ぶ際に重要なのは、ゲル強度、ゲル融解温度と電気浸透度です。弊社では、特定のDNA断片サイズとその後の実験に最適化されたアガロースをご提供しています。

  • UltraPure™ Agaroseは、標準的な融解温度で、ルーチンの電気泳動解析のために設計された多目的なアガロースです。UltraPure™ Agaroseは500bp〜23,000 bpの範囲内でDNAやRNA断片を分離できます。
  • UltraPure™ Agarose 1000は、PCR断片や短い長さのDNA断片をより高い解像度で分離するための特殊なアガロースです。Agarose 1000は、ゲル強度が1,400 g/cm2以上で強力なゲル構造を持つため、取り扱いが簡単です。
  • UltraPure™ Low Melting Point Agaroseは、低融点アガロースで、ゲルからDNAを回収する実験に推奨されます。このアガロースの分離範囲は、50bp〜1,000 bpです。

5. 電気泳動の電圧に気をつけるべし!

推奨される電圧は、4~10 V/cm(ゲルの長さではなく+極から-極の長さ)です。電圧が低すぎると移動度が低下し、DNAの拡散によってバンドが広がってしまいます。電圧が高すぎると、ゲルの過熱によりバンドの解像度が低下する恐れがあります。

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