【クローニング初心者向け】正しい組換え体をスクリーニングする5つの方法

【クローニング初心者向け】正しい組換え体をスクリーニングする5つの方法

目的遺伝子のクローニングも終盤戦!DNA断片は目的のベクター内に組込まれ、大腸菌の中に入っています。形質転換された大腸菌は寒天培地に画線植菌され、一晩で多くのコロニーが得られました。しかし、ここで勝利宣言をするにはまだ早い!

今回は、一般的に使用されている、目的の遺伝子を持った組換え体をスクリーニングする方法をご紹介します!

青白スクリーニング

青白スクリーニング(Blue-white screening)はクローニングが成功したかどうかを検証するために広く使用されている技術です。この方法では、βガラクトシダーゼ酵素の機能的サブユニットをコードしているlacΖαのαペプチドを持つベクターに目的の遺伝子(インサート)をクローニングする必要があります。このプラスミドを使用する場合には lacΖΔΜ15変異を持つ特殊な大腸菌を形質転換しなくてはなりません。空ベクターを使用すると、αペプチド(βガラクトシダーゼ)の活性は無傷のままなので、大腸菌コロニーは青色を呈します。スクリーニング用の寒天培地に含んだ無色のX-gal (ラクトースのアナログ)は、βガラクトシダーゼにより加水分解され、青色色素(5,5′-dibromo-4,4′-dichloro-indigo)を形成します。lacΖα遺伝子を破壊する形でインサートを挿入したベクターを使用すると、αペプチドは発現せず、X-galは加水分解されません。そのため、インサートが存在する場合、コロニーは白色を呈します。この方法では、偽陽性(インサートがなく白色を呈するコロニー)を獲得してしまう場合があるため、白色コロニー中のインサートのさらなる検証をおすすめします。

ポジティブセレクションベクター

スクリーニングを簡単にする効果的な方法は、ポジティブセレクションベクターを使用することです。このベクターは、宿主菌のゲノムDNAを切断する制限酵素のような致死遺伝子をある条件下で発現します。致死遺伝子を破壊する形でインサートを挿入することで、致死遺伝子を発現させないようにします。その結果、インサートを持つ大腸菌のみが増殖できます。この方法では、一般的に99%以上の組換え体を獲得でき、時間とコストを節約できます。Thermo Scientific CloneJET PCR Cloning Kitはこの方法を使用しています。

制限酵素処理

制限酵素処理でも正しい組換え体を選抜できます。まず、 Thermo Scientific GeneJET Plasmid Miniprep Kitのようなプラスミドミニプレップキットを用いて、大腸菌培養液からプラスミドDNAを回収します。制限酵素は簡単にインサートが挿入されているかどうかを検証できるものを選んでください。そして、選んだ制限酵素を使用して、組換え体から回収したプラスミドDNAを消化します。目的のインサートとベクターが予想されるサイズであることを確認するために、アガロースゲル電気泳動を行います。迅速な結果を得たい場合は、 Thermo Scientific FastDigest restriction enzymesがおすすめです。

コロニーPCR

正しいインサートが挿入されているかどうかは、PCRを使用して大腸菌コロニーをスクリーニングすることでも確認できます。設計するプライマーは、インサート特異的な配列を持つもの同士、ベクター特異的な配列を持つもの同士を使用することでインサートを確認できます。インサートの向きを確認するためには、インサート特異的な配列を持つものとベクター特異的な配列を持つものの組み合わせをおすすめします。コロニーPCRによるスクリーニングは、3 kbp以下の長さを持つインサートの確認に適しています。大腸菌コロニーは、Thermo Scientific PCR reagentsを使用したマスターミックスに直接入れることでPCR反応が可能です。コロニーの残りの部分は、プラスミドDNA回収などのアプリケーションのために適切な抗生物質を含む寒天培地や液体培地に植菌をするために使用できます。

シーケンシング

組換え体を確認する最も正確な方法は、塩基配列決定することです。インサートは、ベクターに適したシーケンシング用プライマーを使用したサンガーシーケンシングで確認できます。インサートDNA全体の塩基配列決定をすることで、インサートDNAの正確な塩基配列を確認できます。

 

いかがでしたか?
これらの方法を使用して、実験に必要な遺伝子をガシガシとクローニングしていきましょう!

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