安全キャビネットとクリーンベンチの違いとは? 安全キャビネットを選ぶ際に知っておきたい6つのポイント

安全キャビネットとクリーンベンチの違いとは? 安全キャビネットを選ぶ際に知っておきたい6つのポイント

はじめに

安全キャビネット(biological safety cabinet、BSC)は、生物学的実験において必要不可欠な実験室の設備です。また、感染症、汚染物質、または他の潜在的に危険な物品の安全な取り扱いを可能にします。

安全キャビネットとクリーンベンチの違い

安全キャビネットとクリーンベンチは使用する目的が明確に異なります。

安全キャビネット

安全キャビネットは国際安全規格NSF/ANSI 49が要求する高レベルな安全性を満たしています。

庫内を陰圧にし、作業者・環境・サンプル・サンプル同士のクロスコンタミネーションの保護を目的とします。しかし、排気側と循環側のHEPAフィルターは詰まり度合が異なるために独立してエアフローを制御することが必要です。

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図1 安全キャビネットのエアフローの模式図

クリーンベンチ

庫内を陽圧にしてサンプルを保護します。しかしHEPAフィルターの詰まりによる風速の低下があるので継続的にサンプルを保護することは困難です。

6-points-you-should-know-when-choosing- biological-safety-cabinet-fig2

図2 クリーンベンチのエアフローの模式図

HEPAフィルターの重要性

安全キャビネットのダウンフローは0.3~0.4m/s の範囲内でメーカーにより差異がありますが、規定はありません。ただし、HEPA フイルターが詰まってくるとダウンフローは低下し、一般的には0.25m/s 以下になると交換が必要です。

ダウンフローの低下は安全性に問題が出てくるためです。ダウンフローが0.25m/s 以下になるとエアーカーテンの効果が薄れ内部の空気が外部に出てくることがあるため、交換が必要です。

安全キャビネットのインフローは新しい安全基準では0.51 ~0.56m/s に変わりました。

HEPAフィルターの寿命と交換時期

安全キャビネットのHEPAフィルターの寿命を最大限にするには、空気量、実験室における空気の質、HEPAフィルターのサイズ、モーター予備容量、および使用量を最適化する必要があります。

従来、安全キャビネットのHEPAフィルター寿命は5〜7年と推定されています。しかし、最近の実態調査では、実験室における空気の質の改善と使用法の見直しにより、HEPAフィルターの寿命が大幅に長くなることが示されています。

構造上の問題への対応

安全キャビネットは排気風量が30%、循環風量が70%の設定になっています。そのため、初期圧力損失で排気風量が30%、循環風量が70%に設定されています。

初期圧力損失 245Pa 排気風量30% 0.53m/s

最終圧力損失 490Pa 排気風量20% 0.35m/s

AC モーターの送風機は、回転数が一定のためインフローの風速がどんどん低下していき、HEPA フイルターを1年で交換する必要があります。

弊社の場合、排気用HEPA フイルターおよび排気専用の送風機と循環用HEPA フイルターおよび循環専用の送風機は別々に内蔵されています。さらにDC ブラッシュレス モーターの採用により送風機の回転数を自動的に変更でき、フィードバック回路により常に最適な回転数と、国際安全規格で規定された風速を確保することができます。(Smartflow機能)

初期圧力損失 245Pa 排気風量30% 0.53m/s

最終圧力損失 490Pa 排気風量30% 0.53m/s

任意に風量のキャリブレーションが可能でHEPA フイルターを最大限使用することができ、HEPA フイルターの交換は5年~8年で交換をしています。但し安全に安定的に使用する為には年1回の定期点検かまたは安全性試験をされることをお勧めします。

安全キャビネットは、風量を維持しながらHEPAフィルターの負荷を補うために、状況にあわせた速度を調整できるファンを使用する必要があります。DCブラッシュレスモーターを搭載した安全キャビネットは、速度を直接制御し、70%~90%の省エネルギーを実現します。

 

 エアーフローを維持するためにシングルファンではなくデュアルファンが良い理由

安全キャビネットの使用に際し、HEPA フィルターを介してインフローとダウンフローのバランスを常に保つことが使用者とサンプルの保護において非常に重要です。一般的なキャビネットはインフローとダウンフローのバランスを保つためにシングルファンで風速調整しダンパーを用いています。

シングルファンでは手動ダンパーを用いたトータル補正(インフロー、ダウンフローを合計)でしか風速調整できません。手動で調整するトータル補正方法では毎秒、毎分、毎時間エアーフローバランスを常に維持できず庫内の陰圧を保てません。インフローとダウンフローの風量バランスの調整も困難です。このようなシステムではHEPA フィルターのつまり度合いによって頻繁にメンテナンスをする必要があります。

一方、弊社の安全キャビネットが持つインフロー、ダウンフローのバランスを自動で保つ高度なSmartflow機能は、2 つのファンを用いてリアルタイムでエアーフローをコントロールすることで常に庫内を陰圧に保ちます。この機能により手動ダンパーは必要なく、使用者とサンプルの保護をリアルタイムで行えます。

図3 デュアルファンの利点。左の図は一般的なシングルファン、手動ダンパーでのキャビネット、右の図はSmartflow 機能による弊社の安全キャビネットです。使用時間の経過を上部から下部に向かって表しております。弊社の安全キャビネットは使用時間の経過に関わらず、庫内の陰圧を保つため、エアーフローバランスをリアルタイムで調整しています。

エアフローアラームとは?

エアフローアラームとは汚染物質の封じ込めやサンプルの保護に問題がある状態になった場合、ユーザーに警告する機能です。

インフローやダウンフローの変動によって、安全キャビネットの前部開口部での微妙な気流のバランスが乱れる可能性があります。気流のバランスが乱されると、サンプルが汚染されたり、人体が有害物質に暴露されたりする可能性があります。したがって、安全キャビネットを使用する際は、これらの安全リスクに注意する必要があります。

弊社の安全キャビネットの設計は、独立したDCブラッシュレスモーターと圧力センサーベースのエアフローアラーム (DAVe(Digital Airflow Verification))を組み合わせて、サンプルの保護とユーザーの安全性を最大限に引き出します。

安全キャビネット Thermo Scientific™ 1300 シリーズ

Thermo Scientific™ 安全キャビネット1300シリーズは、国際安全規格を取得しており、搭載しているHEPAフィルターも国際安全規格を取得したバイオセーフティキャビネットです。HEPAフィルターを排気側・循環側それぞれ独立したデュアルファンでインフロー、ダウンフローを毎秒、毎分、毎時間リアルタイムで補正しエアーフローバランスを保ちます。HEPAフィルター寿命は、独特な設計上の利点により従来のクラスII 安全キャビネットのHEPAフィルター寿命と同等またはそれを超えており、最終的に実験室での除染、HEPAフィルター交換などの時間と費用が節約されます。また、ナイトセットモード機能により消費電力の削減にも貢献します。1300シリーズが安全キャビネットは使用者、環境、サンプル、サンプル同士のクロスコンタミネーションの保護を実現します。

特長

  • 国際安全規格NSF/ANSI49取得済(全てのモデル)
  • HEPAフィルターの国際安全規格EN1822 H14規格取得済(排気・循環側共に)
  • エアーフローバランスをSmartflow機能によりリアルタイムで補正
  • ナイトセットモード機能により消費電力の削減に貢献(CO2排出量64.7%オフ:当社製品比較)
  • HEPAフィルターのパフォーマンスなど、見やすいディスプレイ

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