常に頭に入れておきたいDNAクローニングに関する7つのポイント

常に頭に入れておきたいDNAクローニングに関する7つのポイント

実験がうまく行っている時ほど気にしていないのが、ルーチンワークの目的遺伝子のクローニング実験。ハマってしまう前にポイントを再確認しておきましょう!

今回は、実験をする際に常に頭に入れておきたい、クローニングに関する7つのポイントをご紹介します!みなさんも実験の際に参考にしてみてください。

インサートの性質

通常、PCRにより増幅した断片をリニアベクターに挿入し、クローニングを行なうのが迅速で効率的な方法です。もちろん、すべてのPCR断片が同一のベクターに同じ効率でクローン化されるわけではありません。このような差異は、断片のサイズ、インサートの毒性、およびインサートの複雑性により生じます。いずれのベクター(pCR®2.1pcDNA™3.1pUC18)においても、逆向き反復、ATリッチ、またはGCリッチ反復配列は、クローン産物としての断片を不安定にする原因となります。

インサートのサイズ

クローン化する断片のサイズは、クローニング効率の最も重要な因子です。大きなDNA断片(≥5 kb)を高コピーベクターでクローニングすることも可能ですが、その効率は非常に低くなります。

ベクターとインサートとの比

確実に効率の良いクローニングを行なうためにはインサートに対するベクターのモル濃度比を最適化することが重要です。クローニングを成功させるための比率は1:1 ~ 1:10の範囲であると考えられます。至適比を決定するために用いられる一般的な方法の一つは、1:1、1:3および1:5のように数種類のベクター:インサート比で調製を行なうことです。これらの比は、すべてのクローニングに適しているとは限りませんが、大部分のクーニングの必要条件に共通するものです。例えば、ベクターが3 kb、インサートが1 kbの場合、モル比を1:1にするためには3倍量のインサートを添加する必要があります。

新鮮なPCR産物

TA、TOPO®TA、およびDirectional TOPO® Cloningにおいては、新鮮なPCR産物を使用することをお勧めします。これは、時間が経つにつれてヌクレオチドのオーバーハングが分解し、クローニングの効率を低下させるエキソヌクレアーゼが存在している可能性があるためです。推奨はされませんが、4℃で1週間保存後にPCR産物のクローン化に成功した例もあります。

ポジティブコントロールとネガティブコントロールの重要性

クローニング実験ではポジティブコントロールとネガティブコントロールの重要性を無視することはできません。クローニングとトランスフォーメーション反応に適切なポジティブ、ネガティブのコントロールがないと、クローニングの結果を評価することが非常に困難になります。これらのコントロールはコンピテントセルのDNA合成における酵素活性とトランスフォーメーション効率の指標なのです。コントロールが行なわれないと、トラブルシューティングは事実上不可能です。クローニング反応の効率を保証するため、弊社の各キットにはコントロールが含まれています。

ベクターとインサートのDNA末端の互換性

TAクローニングテクノロジーは、Taqポリメラーゼによって生成されたPCR産物をクローニングするようにデザインされています。これはPCR産物の各末端に単一の3′-Aオーバーハングを付加するこのポリメラーゼのターミナルトランスフェラーゼ活性を利用しています。平滑末端クローニングベクター方向性TOPO®クローニングテクノロジーは、Pfxなどのプルーフリーディングポリメラーゼによって生成されたPCR産物をクローニングするようにデザインされています。クローニングの成功はクローニングベクターに正しいポリメラーゼを使用するかどうかにかかっています。

PCR増幅後の3′-Aオーバーハングの付加

プルーフリーディングポリメラーゼによって増幅されたDNAをTA Cloning®ベクターTOPO TA Cloning® ベクターに直接クローニングするのは、クローニング効率がきわめて低いためしばしば困難です。これはプルーフリーディングポリメラーゼがTA Cloning®やTOPO TA Cloning®に必要な3′-Aオーバーハングを除去する3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を有しているためです。平滑末端フラグメントに3’アデニンを付加する簡単な方法を以下に示しました。これ以外の方法も利用できます。

材料

  • Taqポリメラーゼ
  • 100%エタノール
  • 72℃で安定させたヒートブロック
  • 80%エタノール
  • フェノール-クロロホルム
  • TEバッファー
  • 3 M酢酸ナトリウム

プロトコール

  1. プルーフリーディングポリメラーゼで増幅後、試料を氷上に置き、試験管あたり0.7 ~ 1ユニットのTaqポリメラーゼを添加します。よく攪拌します。反応バッファーの交換やプルーフリーディングポリメラーゼの除去は必要ありません。十分な数のPCR産物が3′-Aオーバーハングを保持しています。
  2. 72℃で8 ~ 10分間インキュベートします(サイクルしません)。
  3. 氷上に置き、直ちにTA Cloning® またはTOPO TA Cloning® 反応液に入れます。反応液を保存したい時はステップ4に進みます。
  4. 等量のフェノール-クロロホルムで反応液を抽出します。この操作ですべてのポリメラーゼが除去されます。
  5. 1/10量の3 M酢酸ナトリウムおよび2倍量の100%エタノールを添加してDNAを沈殿させます。
  6. 室温で5分間、最高速度(卓上遠心機で14,000 rpm)で遠心分離を行なってDNAをペレットにします。
  7. エタノールを除去し、80%エタノールでペレットをリンスして風乾します。
  8. ペレットをTEバッファーに再懸濁させてPCR増幅反応液の開始量とします。これでPCR増幅産物はTA Cloning® ベクターやTOPO TA Cloning® ベクターにライゲーションできるようになりました。

まとめ

いかがでしたか?

つい忘れてしまうクローニングに関するポイントを、ぜひ頭の片隅に入れて実験してみてください!

これだけは知っておきたいクローニングの基礎知識、ココにあります!

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