デジタルPCRによる高精度なコピー数多型 (CNV) 解析

デジタルPCRによる高精度なコピー数多型 (CNV) 解析

わずかなコピー数の違いを高精度に検出・定量

今回は、デジタルPCRが、どのように高精度なコピー数多型(CNV)解析を可能にしているかをご紹介します。

現在CNV検出の方法としては、蛍光in situハイブリダイゼーション (FISH)、比較ゲノムハイブリダイゼーション (CGH)、アレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション (aCGH)、リアルタイムPCR (qPCR)、次世代シーケンシング (NGS)、デジタルPCRなどの方法があります。

表 さまざまなCNV検出法

in situ ハイブリダイゼーション

aCGH

次世代シーケンシング

リアルタイムPCR

デジタルPCR

概要 標識プローブを用いて、個々の固定された細胞中のDNA配列を検出 一本鎖のサンプルDNAとリファレンスDNAサンプルを1:1の比率で個々に標識し、オリゴ/BacがスポットBACアレイにハイブリダイゼーション ハイスループットのシーケンシングを行い、目的の配列をマッピング、およびカウントすることで絶対的あるいは相対的なコピー数を決定 リアルタイムでPCR増幅プロセスをモニタリングし、ターゲットDNA配列を相対定量 多数の区画に分散し、限界希釈したサンプルをPCR。ターゲットDNA分子を絶対定量、標準的なポアソン統計メソッドを用いて濃度を計算
必要なサンプル調製 細胞の保存・分割 標準的なゲノムDNAの分離 標準的なゲノムDNAの分離 標準的なゲノムDNAの分離 標準的なゲノムDNAの分離
ハンズオンタイム 非常に多い 多い 多い 少ない 少ない
結果が出るまでの所要時間 数日 数日 数日 数時間 数時間
結果の解釈 主観的 客観的 客観的 客観的 客観的
定量の精度 ★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★★
解像度 ★★★ ★★★★★ ★★★★★ ★★★★★

ヒトゲノムにもっともよく見られる遺伝子変異のひとつであるコピー数多型 (CNV)

CNV はゲノムに生じた変異で、ゲノムDNA配列のコピー数が、リファレンスやスタンダードと異なるものを指します。挿入 (数塩基対から10 kb)、欠失 (数塩基対から数Mb)、逆位、転座といったゲノム上の変化が、対立遺伝子あるいは複対立遺伝子のCNVを引き起こすことがあります。 CNVは、ヒトゲノムにもっともよく見られる遺伝子変異のひとつで、がん遺伝性疾患感受性を含め、数多くの疾患に関係があるとされています。

CNVの高精度な検出と正確な定量を実現するデジタルPCR

上に挙げたテクノロジーの中でも進歩を遂げているものはありますが、多くの場合、ターゲットとリファレンスの比率がとても小さいCNVの検出においては十分な精度が得られません

現在のところリアルタイムPCRはCNVのバリデーションに最も一般的に使用されている技術ですが、高い精度を得るには通常多くのレプリケートが必要です。160万種類を超えるデザイン済みのTaqMan™ Copy Number Assayおよびデザインツールを用いて、リアルタイムPCR機器およびソフトウェアによるCNV解析を行うことができます。この方法はとてもシンプルなワークフローで特異性と再現性の高いコピー数の値を得ることができるので、高精度であることが必要でない一般的な実験系でご利用いただけます(例:1.1倍未満の差を識別するほどの高い精度が必要ではないケース、サンプル数が多いケース、一般的なスクリーニングなど)。TaqMan™ Copy Number Assayのワークフローは自動化が可能で、1日に数百から数千のサンプルを処理できます。

デジタルPCRは、正確、高精度、シンプルにCNVを解析する方法として、わずかなコピー数の違いを検出し正確に定量する方法として、急速に広まってきています。

QuantStudio 3D デジタルPCRシステムを用いたCNV解析

シンプルでお手頃なQuantStudio 3D デジタルPCRシステムは、低コピー数および高コピー数の両方で、核酸ターゲットの絶対定量を高精度かつ正確に行うことができ、他のテクノロジーと比較して、高い再現性と優れた解像度を提供します。

デジタルPCRの高コピー数を検出する能力を実証するため、QuantStudio 3D デジタルPCRとコピー数が変化するケモカイン遺伝子であるCCL3L1遺伝子用のTaqMan Copy Numberアッセイを使用し、9個体のgDNAサンプルを用いたパネルを解析しました。その結果、サンプルは0から8のコピー数を示しました (図1) 。

高精度なデジタルPCRによって、7コピーと8コピーを含むサンプル間の1.2倍未満の差を統計的に有意に区別することができました。

digitalpcr3-fig1

図1 CCL3L1遺伝子用のTaqMan Copy Numberアッセイを使用し、9個体のgDNAサンプルを用いたパネル解析の結果。各サンプルにおいて、検出されたコピー数を予想されたコピー数に対してプロット。青色の点-個々のチップからのコピー数、赤のX-あるサンプルのすべての測定値の平均、グレーの帯-標準偏差、点線-予想される99%信頼区間

デジタルPCRの精度を更に検証するため、CCL3L1遺伝子をそれぞれ2コピーと3コピー含むサンプルを異なる比率で混合し、0.1コピー単位で、2コピーと3コピー間の予想されるコピー数を含むサンプルをシミュレートしました(図2)。

混合サンプルのコピー数を、QuantStudio 3D デジタルPCRを用いて検出し、予想されるコピー数に対してプロットしました。結果は、およそ<5% (不均一な細胞集団をシミュレート) の非常に小さな差を区別できることを示しました。

digitalpcr3-fig2

図2 CCL3L1遺伝子を用いた混合サンプルのコピー数の解析結果。各サンプルにおいて、検出されたコピー数を予想されたコピー数に対してプロット。青色の点-個々のチップからのコピー数、赤のX-あるサンプルのすべての測定値の平均、グレーの帯-標準偏差、点線-予想される99%信頼区間

デジタルPCRによってCNV解析を行っているお客様の声

デジタルPCRを用いて高精度で正確なCNV解析を行った実例は、以下の動画用リンクからご覧いただけます。

また、次のリンクからアプリケーションノートもご覧いただけます。

最後に、いつでもどこからでもご視聴いただけるウェビナーをご紹介します。Beyond the Limits with Digital PCR, (Trish Hegerich, Senior Applications Scientist, Digital PCR Technology, Thermo Fisher Scientific.) CNV解析において、リアルタイムPCRの限界を超えるデジタルPCRの技術についてご紹介しています。

まとめ

CNVの検出には精度と正確性の両方が求められます。リアルタイムPCRなどの一般的によく利用されている従来のテクノロジーは、相対的な定量であったり、わずかなコピー数の差の判別が困難であったり、リファレンスサンプルや標準曲線を必要とするなど、様々な限界に直面する場合があります。だからこそ、デジタルPCRを使用するメリットがあるのです。シンプルでお手頃なデジタルPCRプラットフォーム、QuantStudio 3DデジタルPCRと幅広い遺伝子をカバーしているTaqMan CNV アッセイは、低コピー数および高コピー数の両方でターゲット分子の絶対定量を高精度かつ正確に行うことができ、高い再現性と優れた解像度を実現します。

デジタルPCRについてさらに詳しく

ハンズオン時間と手間を最小限にしたQuantStudio 3D デジタルPCRシステムのシンプルなワークフローとデジタルPCRによる高精度・正確なCNV解析についてより詳しくご紹介しています。また、このビデオでは、世界中の研究者たちが、最先端のがん研究において、どのようにQuantStudio 3DデジタルPCRシステムを用いてCNV解析を行っているかをご紹介しています。是非ご覧ください。

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