SDS存在下でも測定可能!SDSサンプルバッファーに溶解したタンパク質の濃度測定法とは?

SDS存在下でも測定可能!SDSサンプルバッファーに溶解したタンパク質の濃度測定法とは?

はじめに

免疫沈降やプルダウン操作においてタンパク質を溶出するために、SDSサンプルバッファー(Laemmli SDS sample buffer)を用いることがあります。SDSサンプルバッファーは溶出力も高く、そのまま電気泳動(およびウェスタンブロッティング)ができて便利ですが、タンパク質濃度の測定は簡単ではありません。従来からルーチンに利用される比色法ベースの総タンパク質定量法では測定が阻害されてしまいます。例えばBradford法では界面活性剤による測定阻害を受けやすくSDSが阻害要因になってしまいます。またBCA法では還元剤による測定阻害を受けやすくDTTや2-Mercaptoethanolが阻害要因になってしまいます。さらにBPBを含むSDSサンプルバッファーでは、BPBの吸収波長の影響を受けてしまいます。そこでおすすめするのがPierce 660 nm Protein Assayです

Pierce 660 nm Protein Assayとは?

Pierce 660 nm Protein AssayではSDSの共存許容濃度を高めるIDCR (Ionic Detergent Compatible Reagent)を併用することでSDSが5%まで共存可能です。また、もともとDTTは500 mMまで2-Mercaptoethanolは1 Mまで共存可能です。さらに、独自開発の「色素 – 金属複合体」が酸性溶液中でタンパク質と結合することで赤色から緑色に変化する性質を利用しており、BPBの影響を受けにくい660 nmでの測定を行います。このためPierce 660 nm Protein AssayではBPBを含む一般的なSDSサンプルバッファーでもタンパク質濃度の測定が可能です。

ちなみに、Pierce 660 nm Protein Assayは一般的な生化学実験で使用される濃度の界面活性剤や還元剤の影響を受けにくく、比較的幅広い種類のサンプルでタンパク質濃度測定が行えます。操作も簡便で、Bradford法に比べて直線性が高く、広い濃度範囲で測定できる点でも優れています

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図1 Laemmli bufferに溶解したサンプルのタンパク質定量の流れ

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図2 Pierce 660 nm Protein Assay ReagentとBradford Assay(B社)の直線性比較。それぞれテストチューブを用いるプロトコルでBSAの検量線を作成しました。Bradford Assay(黄色)では125 – 1,000 µg/mLの範囲でのみ直線性を示したのに対し、Pierce 660 nm Protein Assay(青色)では25 – 2,000 µg/mLの広範囲で高い直線性が得られました。

代表的な成分への適合性

下表に掲載されているもの以外の成分情報については、こちらのProtein assay compatibility tableをご覧ください。

成分 共存許容濃度
界面活性剤 Tween-20 10%
Triton X-100 1%
CHAPS 5%
NP-40 5%
SDS 0.0125%, (5%)
還元剤 DTT 500 mM
2-Mercaptoethanol 1 M
その他 EDTA 20 mM
GuHCl 2.5 M
Urea 8 M
Thiourea 2 M
Glycerol 50%
NaOH 125 mM
HCl 125 mM
Phenol Red 0.5 mg/mL
2-D Sample Buffer 7 M urea, 2 M thiourea, 4% CHAPS
または8 M urea, 4% CHAPS
Laemmli SDS sample buffer 65 mM Tris•HCl, 10% glycerol,
2% SDS, 0.0025% bromophenol blue

※IDCR (Ionic Detergent Compatible Reagent)をAssay試薬に添加した場合

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