マイクロアレイの受託解析を利用する際に知っておきたいポイント

マイクロアレイの受託解析を利用する際に知っておきたいポイント

マイクロアレイは数万にも及ぶ遺伝子を同時に解析できることから、基礎研究や臨床分野では欠かすことのできないテクノロジーとして広く利用されるようになってきています。

最近ではさまざまな受託会社がマイクロアレイ解析を行っており、専用の装置を持っていない研究者でも気軽に解析結果を得ることができるようになりました。

今回はマイクロアレイを受託解析に出す前に、あらかじめ知っておくと役に立つポイントをご紹介します。

受託解析を利用する際に押さえておきたいポイント

まず確認したいのがアウトプットである解析結果についてです。

そもそもデータ解析は無償なのか、それとも解析結果を出してもらうのにオプション料金が別途必要なのか。

また解析結果と一口に言っても、シンプルな結果だけなのか、それともさまざまな処理を施したものなのか、それぞれ確認が必要です。

解析結果とは別に、生データを手に入れることができるかも知っておきたいポイントです。

手元に専用の解析ソフトがある場合、生データを入手できていれば自分たちの手で解析を行うことができます。しばらく時間が経ってから、新しい条件で解析をやり直したいなどといったときも、生データと解析ソフトがあれば受託会社に問い合わせずに済みます。

解析ソフトはマイクロアレイの種類によって利用できるものが異なってくるため、あらかじめ確認しておきましょう。解析ソフトの料金も、毎年更新料がかかるものから、完全に無料で使えるものまで、さまざまなものがあります。

なお、弊社が提供している発現解析ソフト「Transcriptome Analysis Console (TAC)」は誰でも無料でダウンロードでき、発現解析アレイの結果を簡単に解析できます。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

こんなに簡単!マイクロアレイ解析のフリーソフトをダウンロードする方法こんなに簡単!マイクロアレイ解析のフリーソフトをダウンロードする方法
弊社ではマイクロアレイによる発現解析のためのフリーソフトをご用意しています。これにより、Applied Biosystems™ Clariom™ D や Applied Biosystems™ Clariom™ S のような最新の発現解析マイクロアレイの解析が誰でも簡単に行えます。今回は弊社が提供している解析用フリーソフトのダウンロードの方法についてご紹介します。

解析対象遺伝子はどの程度あるのか?

マイクロアレイで遺伝子の発現を解析する場合、どういった遺伝子を対象としているのかも重要なポイントです。

通常、ほとんどの発現アレイは約2万ともいわれているコーディング遺伝子を網羅しており、代表的な遺伝子はほとんど全て含まれていると考えて良いでしょう。

一方で、近年ではタンパク質をコードしていない、いわゆる長鎖ノンコーディングRNA (long non-coding RNA, lncRNA) というものが着目されており、さまざまな疾患との関連性が指摘されています。

今後、新たに網羅的な発現解析をする場合は、このlncRNAを解析に含めるかどうかが一つのポイントとなってくることでしょう。

マイクロアレイの種類によって、lncRNAが含まれているものと含まれていないものがあります。受託解析を利用する場合は、予算と相談しながら、より適切なものを選ぶようにしましょう。

lncRNA解析には、例えばApplied Biosystems™(旧Affymetrix)のClariom D Assaysなどがお薦めです。コーディング、ノンコーディング合わせて、実に10万種類以上の遺伝子を解析できます。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

次世代型超高密度マイクロアレイ Clariom D の圧倒的な解析性能とは?次世代型超高密度マイクロアレイ Clariom D の圧倒的な解析性能とは?
弊社の次世代型発現解析マイクロアレイ「Applied Biosystems™ Clariom™ D」は、従来の発現解析に加え、選択的スプライシング解析やlong non-coding RNA (lncRNA) 解析など、トランスクリプトームレベルでの解析にも威力を発揮します。今回は、Clariom Dの圧倒的な解析性能についてまとめてみました。

どういったサンプルが解析できるのか?

マイクロアレイの受託解析では、サンプルから抽出した核酸を受託会社に提出して解析します。その際、発現解析であればRNAの収量や純度(RIN)などの値が基準を満たしている必要があります。

ところがサンプルによっては十分な収量を得ることが難しい場合があります。特に臨床検体の場合、解析に使用できるサンプル量には限りがあるため、十分なRNA量を回収することができないケースも多いと思います。

そのような場合、マイクロアレイによる発現解析はあきらめなければならないのでしょうか?

実は、通常よりも収量の少ないRNAでもマイクロアレイで解析できる専用試薬があります。例えばApplied biosystems™ GeneChip™ WT Pico Kitを用いれば、わずか100pgのtotal RNAからアッセイが可能です。

またこの試薬はFFPE(ホルマリン固定パラフィン包埋)サンプルにも対応しており、RNAの分解が激しいといわれているFFPEでも、非常にきれいな発現解析データを出すことができます。

RNAの収量や分解が気になる場合は、こうした試薬を用いることができるのか、受託会社に問い合わせてみるのが良いでしょう。

発現解析用マイクロアレイのラインナップ

弊社では発現解析用のマイクロアレイ製品としてさまざまなラインナップをご用意しています。ここでは、代表的な製品について簡単にご紹介したいと思いますので、受託解析をおこなう際の参考にしてみてください。

圧倒的な実績を誇る「3′-IVT Array」

発表以来、10年以上の月日を重ねてさまざまな文献で用いられている、まさに発現解析アレイのゴールドスタンダードといっても過言ではないのがこの3′ IVT Arrayです。

DNAプローブが遺伝子の3’末端側にデザインされていることから、この名前が付いています。

こんな人にオススメ↓

  • 3′-IVT Arrayが用いられている過去の膨大な研究事例と比較して実験をしたい
  • 既に3′-IVT Arrayを用いた実験系が完成されている

Clariom D Array

2016年の夏に発売されたばかりの、次世代型マイクロアレイです。遺伝子発現解析はもちろんのこと、lncRNAや選択的スプライシングの解析にも対応しており、一歩先を目指す研究に最適のアレイです。

こんな人にオススメ↓

  • lncRNAを含めた網羅的な発現解析を行いたい
  • 選択的スプライシングによる遺伝子バリアント解析にも興味がある

Clariom S Array

Clariom SはClariom Dと同時に発表された発現アレイで、遺伝子発現解析に特化することにより、解析コストを安く抑えることが可能となりました。

アノテーション済みの代表的な2万程度の遺伝子の発現解析をしたい場合には最適のアレイです。

こんな人にオススメ↓

  • とりあえず遺伝子発現だけを見たい
  • 解析コストを安く抑えたい

まとめ

今回は、マイクロアレイを受託解析に出す前に知っておきたいポイントについて整理してみました。

ここでご紹介した無料の解析ソフトや、各マイクロアレイの特性などをしっかりと把握しておくことで、受託によるマイクロアレイ解析をより充実したものにしてください。

この記事に関する、ご意見・ご質問がございましたら、下記フォームからご連絡ください。

お名前 (必須)

メールアドレス (必須)

勤務先・所属先

題名

メッセージ本文

 確認ページはございません。内容をご確認の上チェックを入れてください

トレーニング