RNA精製で注意すべきテクニック -その2-

RNA精製で注意すべきテクニック -その2-

RNAの調整・精製は、次世代シーケンシング、リアルタイムPCRによる発現定量(RT-qPCR)、ノーザンブロット分析やcRNA合成など、さまざまな実験に必要となる基本的な技術です。

しかしながらRNAの調製のステップは、回収されるRNAのプロファイリングの維持や、RNAの純度、収量など、以後の分析結果に大きな影響を及ぼすことが知られています。

本トピックでは、実験室でのRNA調製のために必要な10の注意点を紹介しており、「RNA精製を改善する方法 -その1-」に続く残りの5つの注意点(6~10)について紹介します。

まだその1を読んでいない方はこちら

6. DNase処理

RNAをRT-PCRベースの解析法で解析する場合、RNAサンプル中に残存するgDNA(ゲノムDNA)を除去するためにDNase処理を行うことをお勧めします。特に脾臓のようなDNAが多い組織からRNAを抽出する場合は、DNase処理を必ず行ってください。

PureLink™ DNase Setは、オンカラムでDNAを効果的に除去するのに最適化されたキットであり、PureLink™ RNA Mini KitやTRIzol™ Plus RNA Purification Kitなどスピンカラムを用いた精製システムと組み合わせて使用します。

また精製後のRNAサンプル再懸濁用のTURBO DNA-free™ DNaseは、さまざまRNA精製システムで回収したRNAに利用可能です。Kitには強力なTURBO DNaseと反応終了後の夾雑成分を除去するRemoval reagentがセットされています。

両製品ともに、高品質のDNase Iと最適化された反応緩衝液がセットになっており、短時間で簡単に、かつDNaseの不活性化のための有機溶媒処理や熱処理の必要がありません。

7. RNase-freeの環境を整える

自然界にはあらゆる場所にRNaseが存在するため、RNAの実験を始める前にラボ環境をしっかりチェックしましょう。特に精製後のRNAに直接触れる可能性のあるものはすべてRNase-freeにする必要があります。まずは少なくとも以下の点について確認してください:

  • 実験台や器具表面のRNase-free処理

研究室のベンチトップやガラス器具、プラスチックやその他の器具は表面が外部の環境にさらされているため、これらの器具に付着したRNaseが重要な実験系へのRNaseコンタミの原因になる場合があります。こうした器具表面に付着するRNaseは、ラボ環境においてもバクテリアや真菌胞子由来による場合が多く、ヒトの皮膚表面から脱落した死細胞が原因の場合もあります。この様なベンチトップや器具表面のRNase除去処理は、RNaseZap™ RNase Decontamination SolutionRNaseZap™ RNase Decontamination Wipesを用いれば簡単に行えます。

  • RNAを扱う際の注意

常にRNaseフリーのチップ、チューブおよび試薬を使用し、実験中に手袋を頻繁に交換することも大切です。

8. 適切なエタノール沈殿の方法

RNA精製後、濃縮などの目的でエタノール沈殿を行う場合があります。操作に伴うRNAのロスを最小限に抑えるために、正しい操作が必要です。

以下を確認してください。

  • 必要な物
    • アルコール(エタノールまたはイソプロパノール)でRNAを沈殿させるための最小濃度の1価陽イオン(0.2 M Na+、K+および0.5 M NH4+など)
  • 主なワークフロー
    • 最終濃度が5Mになるように酢酸アンモニウムをRNAサンプルに添加後、溶液の2.5倍容量のエタノール(イソプロパノールの場合は等量)を添加し、よくミックスします。また-20℃で15分間以上冷却することにより、RNAの回収効率が高くなります。
    • 冷却後、RNAを12,000 x gで10分間遠心し、慎重に上清を除去します。
    • 微量なRNA(ng/mL)を安定的に回収するためには、共沈殿剤(グリコーゲン、酵母RNAまたはリニアアクリルアミドなど)を使用する必要があります。リニアアクリルアミドやDNase処理されたグリコーゲンは、RNAへのDNAのコンタミネーションがないため、RT-PCRベースのアプリケーションに適した共沈殿剤と言えます。また、酵母tRNAおよびDNase未処理のグリコーゲンは、サンプルへの核酸のコンタミの原因となるため、RT-PCRベースのアプリケーションの結果に悪影響を与える可能性があります。
    • 上清を除去後、70%エタノールによるリンスを行い、過剰な塩を除きます。なおRNAペレットはエタノールを気化させてから溶解しますが、RNAを乾燥させすぎると再懸濁が困難になるため、注意してください。

9. RNAの溶解

精製RNAペレットを再溶解する際には、以下の3点にご注意ください。

  • Bufferは、RNase-freeである
  • 弱酸性のpH(pH 6~7)中ではRNAがより安定
  • RNaseのコンタミネーションの対策として、低濃度のキレート剤(EDTAなど)を添加する

THE RNA Storage Solutionはこれら3つの基準のすべてを満たしたRNA保存用のbufferです。

10. 精製後のRNAの保存

精製RNAの保存は、短期間であればbufferまたはRNase-free waterに溶解した状態で、-20℃で保存できます

しかしながら長期保存する場合は-80℃で保存します。bufferまたはRNase-free waterに溶解した状態での保存も可能ですが、エタノール沈殿の状態(RNAサンプルに最終濃度が0.5Mになるように酢酸アンモニウムを添加後、2.5倍容量のエタノールを添加してミックスした状態)で-80℃での保存が最もRNAが安定です。

またRNA溶液は、小分けして保存することをお勧めします。これは凍結融解サイクルを抑えることでRNAのダメージを防ぎ、さらにはRNaseのコンタミネーションのリスクを最小限に抑えることができるからです。

 

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