安定な形質転換体を選択するための真核生物用抗生物質まとめ

安定な形質転換体を選択するための真核生物用抗生物質まとめ

安定トランスフェクションを成功させるためには、効率的なDNA導入とそのDNAを取り込んだ細胞を選択する方法が必要とされます。DNAが安定的に組み込まれるのは104個の導入細胞のうち約1個ですが、その効率は細胞タイプや用いられるDNAが直鎖状か環状かによって変化します。直鎖状DNAが用いられた時に、組み込みは最も効率的です。

導入されたDNAが安定的に発現されている細胞を選択するための最も信頼できる方法の1つは、導入に用いられるDNAコンストラクト上または細胞に共導入される別個のベクター上に選択マーカーを含ませて、短い回復期間後に細胞に適切な選択圧をかけるものです。共導入されたベクターから選択マーカーが発現される場合、目的の遺伝子を持つベクターと選択マーカーを持つベクターのモル比は、5:1から10:1の範囲とし、全ての細胞に選択マーカーに加えて目的遺伝子も確実に含まれるようにする必要があります。

頻繁に使用される選択マーカーは、様々な選択試薬に対する耐性を与える遺伝子、あるいは導入される細胞系において欠損している必須遺伝子を補う遺伝子です。選択培地で培養すると、導入されていない細胞あるいは一過性導入された細胞は最終的に死滅し、抗生物質耐性遺伝子を十分なレベルで発現している細胞あるいは必須遺伝子の欠失が代償されている細胞は生存します。

真核生物のための選択用抗生物質

弊社では、幅広い種類の選択可能な真核生物発現ベクターに対応する高品質の選択用試薬を提供しています。Gibco™ Geneticin™(G418硫酸塩)Gibco™ Zeocin™ハイグロマイシンBピューロマイシン、およびブラストサイジンの抗生物質が安定細胞トランスフェクションのための選択用抗生物質として最も一般的に用いられています。これらの抗生物質は、二重選択および迅速な安定細胞系樹立などの研究ニーズのためのユニークなソリューションとして提供されます。

Geneticin 選択用抗生物質

Geneticin試薬は、G418硫酸塩として知られ、哺乳類、植物、または酵母細胞の選択に用いられます。弊社のGeneticin試薬は高純度であることから、他社のG418製品より15~30%低い濃度で同等の選択能を発揮するため、生存クローンコロニーがより早く生じ、外観がより健康な細胞が得られることが期待できます。

Zeocin 選択用抗生物質

Zeocin試薬は、哺乳類細胞系、酵母、昆虫細胞、および細菌に対する選択能があります。Zeocin試薬耐性は、She ble遺伝子によって付与されます。細胞内でShe ble遺伝子によって発現されるタンパク質は、Zeocin試薬に結合してそのDNAへの結合を阻害することにより細胞内DNAの切断を妨げ、細胞死を阻止します。細胞の選択に必要とされる濃度範囲は、50~2,000 μg/mL(一般的には300μg/mL)で、細胞種によって異なります。

ハイグロマイシンB 選択用抗生物質

ハイグロマイシンBは、80Sリボソームでトランスロケーションを阻害し、ミストランスレーションを促進することでタンパク質合成を阻害するアミノグリコシド系抗生物質です。ハイグロマイシンBの作用機序は、Geneticin 試薬およびZeocin 試薬とは異なるため、他の選択試薬との併用で2重選択が可能です。ハイグロマイシンB耐性は、E. coli由来のハイグロマイシン耐性遺伝子(hygまたはhph)によって付与されます。使用濃度範囲は、100~1,000 μg/mL(一般的には200 μg/mL)で、各細胞系に合わせて最適化する必要があります。

ピューロマイシン二塩酸塩選択用抗生物質

ピュ―ロマイシンは、真核生物および原核生物の翻訳を阻害する、Streptomyces alboniger由来のアミノヌクレオシド系抗生物質です。Streptomyces由来のピュ―ロマイシンN-アセチルトランスフェラーゼ遺伝子(pac)によって耐性が付与されます。哺乳類の接着細胞は2~5 μg/mLの濃度に感受性を示す一方、浮遊細胞は0.5~2 μg/mLの低濃度に感受性を示します。作用機序は迅速で、低濃度で速やかに細胞が死滅するため、トランスフェクション後1週間以内にピュ―ロマイシン耐性安定細胞系が得られます。

ブラストサイジンS HCl 選択用抗生物質

ブラストサイジンは、真核生物および原核生物の翻訳を阻害する、Streptomyces griseochromogenes由来のヌクレオシド系抗生物質です。Aspergillus terreus由来のbsd遺伝子によって耐性が付与されます。E. coli株は50 μg/mLの濃度に感受性を示す一方、哺乳類細胞は2~10 μg/mLの低濃度に感受性を示します。速やかに細胞が死滅するため、トランスフェクション後1週間以内にブラストサイジン耐性安定哺乳類細胞系が得られます。

この記事に関する、ご意見・ご質問がございましたら、下記フォームからご連絡ください。

お名前 (必須)

メールアドレス (必須)

勤務先・所属先

題名

メッセージ本文

 確認ページはございません。内容をご確認の上チェックを入れてください

トレーニング