大腸菌の形質転換がうまくいかない原因とその対策

大腸菌の形質転換がうまくいかない原因とその対策

大腸菌の形質転換が予期していたほど効率的でないことには、多くの理由があります。今回は、大腸菌の形質転換がうまくいかない原因とその対策をまとめましたので、形質転換がうまくいかなかった際の参考にしてください!

うまくいかない原因その1: DNA中の不純物

ケミカルコンピテントセルの場合、フェノール、タンパク質、界面活性剤、エタノールをDNA溶液から取り除きます。エレクトロコンピテントセルの場合、塩とバッファーがエレクトロポレーションを著しく阻害し、アーク放電のリスクを増加させるため、プラスミドDNAをエタノール沈殿により精製します。さらに、滅菌水または0.5X TE(5 mM Tris-HCl、0.5 mM EDTA)にDNAを溶解します。

うまくいかない原因その2: 過剰なDNA量、過剰な液量

100 µlのケミカルコンピテントセルあたり、1〜10 ngのDNAを添加し、添加するDNAの容量は5 µlを超えないようにします。Subcloning Efficiency™セルでは、1~3 µlのDNA溶液を50 µlのコンピテントセルに添加します。ElectroMAX™セルでは、1 µl(1~50 ng)のDNA溶液を20~25 µlのセルに添加します。

うまくいかない原因その3: ライゲーション反応液による形質転換の抑制

One Shot®MAX Efficiency®Library Efficiency®、およびSubcloning Efficiency™セルの場合、ライゲーション反応混合液をコンピテントセルに加える前に、10 mM Tris-HCl(pH 7.5)、1 mM EDTA溶液で5倍に希釈します。

うまくいかない原因その4:コンピテントセルの不適切な取扱い

コンピテントセルは-80°Cにて保管してください。Invitrogenのエレクトロコンピテントおよびケミカルコンピテントセルは2年間保存できます。また、コンピテントセルを液体窒素に保存しないでください。凍結融解の繰り返しはできるだけ避け、未使用のコンピテントセルは分注して、再凍結してください。形質転換時には氷上でコンピテントセルを融解し、直ちに使用してください。ボルテックスはしないでください。

うまくいかない原因その5: ケミカルコンピテントセルにおける不適切なヒートショック処理

One Shot®MAX Efficiency®、およびLibrary Efficiency®セルの場合、振盪せずに42°Cで45秒間インキュベートします。これらの条件は、丸底のポリプロピレン製チューブおよびコンピテントセル100 µlに対して最適化されたものです。Subcloning Efficiency™セルでは、1.5 mLの微量遠心チューブおよび50 µlのセルを用いて、37°Cで20秒間インキュベートします。Stbl2™セルでは、42°Cで、45秒間ではなく25秒間インキュベートします。チューブまたはコンピテントセルの使用量を変更する場合、ヒートショックの条件を最適化する必要があります。

うまくいかない原因その6: 大腸菌の成長が遅い、もしくは成長しない

37°Cではなく30°Cで大腸菌を培養する場合、回復時間を少なくとも90分に延長し、形質転換したコロニーの培養時間も長くします。

うまくいかない原因その7: 過剰な増殖(抗生物質での選択がほとんどまたは全くできていない)

正しい抗生物質を正しい濃度で使用していることを確認してください。製品マニュアルで推奨している使用方法を参照してください。一般的な選択用抗生物質の使用濃度については、「【まとめ】選択用抗生物質の用途、使用濃度いろいろ」をご覧ください。

これだけは知っておきたいクローニングの基礎知識、ココにあります!

Invitrogen 分子生物学教室では、分子生物学の教育のメインとして、初心者だけでなく経験のある分子生物学者のために、豊富で信頼できる技術的な内容をご提供しています。基礎知識を学ぶ時にはいつでも、Invitrogen 分子生物学教室を活用してください!
基礎知識を学ぶ

この記事に関する、ご意見・ご質問がございましたら、下記フォームからご連絡ください。

お名前 (必須)

メールアドレス (必須)

勤務先・所属先

題名

メッセージ本文

 確認ページはございません。内容をご確認の上チェックを入れてください

トレーニング