【いまさら聞けないがんの基礎 10】がん研究に欠かせないアプリケーション(抗体)のご紹介

【いまさら聞けないがんの基礎 10】がん研究に欠かせないアプリケーション(抗体)のご紹介

基礎研究、分子革命、および創薬

細胞には、生存に必要とされるシグナル伝達経路の複雑なネットワークが存在します。細胞増殖を維持し、悪性細胞に頻繁に利用される主要なシグナル伝達ノードには、これらに限定されませんが、PI3K/Akt/mTOR経路、MAPK経路、およびWnt/β-カテニン経路の3例があります *1,2

長年にわたる基礎的な生物医学研究におけるシグナル伝達カスケードの重要な構成要素の探索は、がんゲノム解析における進歩を促進し、がん治療の個別的アプローチに前進をもたらしました。調節経路について詳細に理解することは、トランスレーショナル研究(橋渡し研究)の成果̶基礎研究、臨床研究、および集団ベースの研究の統合を推進する取り組み̶を支援することにつながり、それら全てがヒトの健康の改善という目標の達成に貢献します。基礎研究における発見の応用は、シグナル伝達経路を特異的に標的とする医薬品および生物学的製剤の開発の劇的な増加に寄与してきました。そのいくつかについては本ハンドブックで紹介しています。がん研究分野では、腫瘍形成を誘導する腫瘍タンパク質や主要なシグナル伝達ノードを特異的に阻害する生物学的抗体、ペプチドおよび低分子製剤の開発において大きな成果が得られています。しかしながら、以下に示すような重要な課題が残されています *3

  • 前臨床疾患モデルはヒト疾患を正確には反映しない
  • 薬剤感受性および有効性の決定に関する明確さの欠如
  • 薬剤耐性
  • 不均一な患者集団
  • 疾患の予後バイオマーカーおよび効果予測バイオマーカーに関する不完全な知識
  • 長期にわたる薬剤探索および薬剤開発プロセス

基礎研究およびトランスレーショナル研究における研究用抗体の役割は非常に重要です。高度に精製された標的特異的抗体を生産する能力は、組織、細胞、および細胞外コンパートメント内の特定のタンパク質の機能を検出、定量、および観察することを可能とします。研究用抗体の使用は、強力な前臨床がんモデル、ゲノムおよびプロテオミクスツール、ならびに継続的に基礎科学および医学の進歩を促進させる細胞イメージング法において重要な役割を果たします。

抗体:がん研究のための強力なツール

当社の抗体アッセイが幅広い抗体アプリケーションにおいて優れた実験結果の達成に寄与していることは、世界中の数千もの文献引用により実証されています。抗体検索ツールにアクセスし、目的の研究に適した抗体を見つけるためには、こちらをご利用ください。www.thermofisher.com/antibodies

当社の抗体が引用されている代表的な文献

一次抗体アプリケーション

がん細胞タンパク質解析

がん細胞解析は、増殖、転写、成長、遊走、分化、および細胞死の通常のプログラムを変更する細胞間コミュニケーションにおける特異的な異常について理解するために必要とされます。変更されたがん経路およびそれらの経路の相互接続に関する理解をより深めることによって、分子標的治療の開発が加速し、がん研究が向上することにつながると考えられます。がん細胞ネットワークについて観察、追跡、および徹底的な調査を行うためには、ツールと技術を正しく組み合わせることが必要とされます。当社では、迅速なタンパク質検出および細胞イメージングのため のツール、ならびにお客様の研究目標の達成を支援するため にデザインされた他の高品質製品を提供しています。詳しい情報はこちらをご覧ください。www.thermofisher.com/antibody-applications

アプリケーション

  • 酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)
  • 免疫染色
  • 増殖
  • フローサイトメトリー
  • ウェスタンブロッティング
  • 免疫沈降
  • Luminex™ アッセイ


がん細胞タンパク質解析

当社は、複数のアプリケーションに使用可能な一次抗体を提供しています。お客様の研究に関連する標的に関する情報は、抗体検索ツールで検索してください。www.thermofisher.com/antibodies

がん研究用の代表的な標的

二次抗体アプリケーション

アプリケーション

二次抗体は標的抗原の間接的な検出に使用されます。二次抗体の使用には一次抗体単独での使用に比べてより多くのステップが必要とされますが、シグナル増幅を通して増強された感度や、ラベリングおよび検出のオプションに幅広い柔軟性があります。詳しい情報はこちらをご覧ください。www.thermofisher.com/Secondary-antibody

当社は、蛍光分析、比色分析、および化学発光分析に使用できる高品質の標識および非標識二次抗体を多彩に取り揃えており、細胞イメージング、フローサイトメトリー、およびウェスタンブロッティングなど幅広い用途に対応しています。多くの文献に引用されている研究用抗体を提供しており、その多くは広範な色素および酵素を標識します。

  • Alexa Fluor 色素
  • 一般的な蛍光色素
    – フルオレセインイソチオシアネート (FITC)
    – R-フィコエリトリン (RPE)
    – アロフィコシアニン (APC)
  • 酵素コンジュゲート
    – 西洋ワサビペルオキシダーゼ (HRP)
    – アルカリホスファターゼ (AP)

二次抗体は、宿主動物を別種の抗体を用いて免疫することで作製されます。例えば、抗マウス抗体は、精製された特異的マウス抗体をマウス以外の動物に注入することによって生成されます。 二次抗体を生成するための宿主動物種としては、ヤギ、ロバ、ヒツジ、ニワトリ、およびウサギを用いるのが一般的ですが、ウマ、 リャマ、ネコ、ウシ、およびイヌなど、その他の動物種由来のものもご用意しております。

詳細情報:

  • 二次抗体の選択
  • 二次抗体の作製方法
  •  二次抗体の精製

www.thermofisher.com/Secondary-antibody-selection

 

参考文献:
1. Steelman LS, Chappell WH, Abrams SL, et al. (2011) Roles of the Raf/MEK/ERK and PI3K/PTEN/Akt/mTOR pathways in controlling growth and sensitivity to therapy—implications for cancer and aging. Aging (Albany NY) 3(3):192–222.
2. Luu HH, Zhang R, Haydon RC, et al. (2004) Wnt/beta-catenin signaling pathway as a novel cancer drug target. Curr Cancer Drug Targets 4(8):653–671.
3. Schilsky RL, Allen J, Benner J, et al. (2010) Commentary: tackling the challenges of developing targeted therapies for cancer. Oncologist 15(5):484–487.

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