宇宙空間で生体が受ける影響をライブイメージング技術で探る(理化学研究所 脳科学総合研究センター 阪上(沢野)朝子氏)-「NEXT」2016年12月号掲載

宇宙空間で生体が受ける影響をライブイメージング技術で探る(理化学研究所 脳科学総合研究センター 阪上(沢野)朝子氏)-「NEXT」2016年12月号掲載

ポータブルなのに高画質、Invitrogen™ EVOS™ FL Cell Imaging System

阪上(沢野)朝子氏(理化学研究所 脳科学総合研究センター 細胞機能探索技術開発チーム/宮脇敦史研究室 研究員)

阪上(沢野)朝子氏(理化学研究所 脳科学総合研究センター 細胞機能探索技術開発チーム/宮脇敦史研究室 研究員)「火星探査に向けた基礎研究にも、ライブイメージング技術が活躍しそうです」。平成27年度文部科学省新学術領域研究『宇宙に生きる』に、研究課題「疑似宇宙環境における基本的生命現象の可視化」を掲げて参画する、理化学研究所の阪上( 沢野)朝子氏。その研究内容は宇宙時代の到来を確実に見据えています。先進的光学顕微鏡システムEVOS FL Cellimaging systemは、こうした未来志向型研究を全面的にサポートしていきます。

宇宙環境での細胞動態がテーマ

細胞周期の進行をリアルタイムに観察し、いまや細胞研究に欠かせないツールのひとつとなった蛍光プローブ“Fucci”。その開発者の阪上(沢野)氏は、さらなる使い良さを目指して、次々と新たな蛍光タンパク質を組み込んだFucciの開発に取り組み、がんや個体発生など幅広い分野で活躍の場を広げています。「例えば改良型のFucci2.1では、AmCyanというシアン色蛍光タンパク質とmCherryという桜色蛍光タンパク質を組み込みました。これなら本来の目的遺伝子や細胞動態の可視化に使うGFPやYFPの観察を邪魔せずに、細胞周期をモニターできます」。

その一方、新たな研究課題である「宇宙環境下での細胞動態」では、ライブイメージング技術を生かして、宇宙放射線による細胞のダメージ、微小重力下での細胞の挙動などを観察していく予定です。「宇宙放射線には、重粒子線やガンマ線、中性子線といった線種がありますが私の周りでは手に入りません。放射線照射設備のある研究機関で、照射したサンプルをその場で観察し、そのままイメージ画像を共同研究者と共有することを想定して、気軽に持ち運べて便利な蛍光顕微鏡を探していました。さっそくオールインワンのEVOS FL Cell Imaging systemを購入し、そのマルチカラーイメージング機能を最大限に引き出す準備を行っています」。

マルチカラーへの高い対応力

「ライトキューブが豊富にあって、妥協することなく波長を最適化できるのがEVOSシリーズの大きなメリットですね」と阪上(沢野)氏は指摘します。ライトキューブとは、LED光源と励起・蛍光フィルターをコンパクトに一体化したユニット。他社のオールインワン型顕微鏡では、例えばYFPやVenusといった蛍光タンパク質を無理やりGFP用の光源/フィルターで観察し、シグナルが著しく低くなることもあるとか。マルチカラー観察が醍醐味の阪上(沢野)氏の研究には「各蛍光プローブに合ったライトキューブは欠かせません」と続けます。「このシステム搭載のLED光源は、今までと比べてかなり明るいですね。またカメラの性能にも満足しています。たとえば、撮影データをデフォルトの8ビットでなく、16ビットで保存して解析ソフトで処理すると、普段使っているハイエンドの顕微鏡の画像とも遜色ありません。10倍や20倍の対物レンズで撮影した画像は、そのまま論文掲載にも使えそう(図参照)。培養用プラスチックシャーレのまま撮影できる点も便利ですね」。

重力変化を察知するプローブの探求

人類が宇宙に飛び出すために、考えておかなくてはならないのが重力の影響。「自分では感じていないけれど、重力変化によって細胞が受けるストレスが必ずあるはず。本研究ではそのストレスを検知する方法を開発することも、大きな目標の一つです」。研究室にはクリノスタット(サンプルに連続的な回転を与え、重力方向を分散させることで、微小重力環境を作り出す装置)を導入して、過重力や微小重力の環境を再現する整備を進めています。「まずは重力ストレスを感知するタンパク質を探り当て、蛍光プローブ化に挑戦したい」。生命現象の可視化を実行する阪上(沢野)氏の目線は、遠く果てしない宇宙に向けられています。

EVOS FL Cell imaging systemで撮影したFucci画像[EVOS FL Cell imaging systemで撮影したFucci画像]
HeLa細胞にFucci2プローブ(mCherry、mVenusを使用)を導入し、20倍の対物レンズで撮影。上段は8ビットで保存。下段は16ビットで保存後、解析ソフトウェアで調整。左から、明視野、mCherry(TexasRed用ライトキューブ使用)、 mVenus(YFP用ライトキューブ使用)、mCherryとmVenusの重ね合わせ、さらに明視野を重ねた画像。最適なライトキューブを使うことで、多色蛍光でも漏れ込みなく、かつ明るく撮影できることを確認できました。(写真提供 : 阪上(沢野)朝子氏)

どれも使いやすい、オールインワン顕微鏡システム
EVOSシリーズ

EVOSシリーズ蛍光顕微鏡を含め、EVOS シリーズは全部で5機種。
どれも使いやすい、オールインワン顕微鏡システムです。

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ライフサイエンス情報誌「NEXT」

NEXT2016年12月号当記事はサーモフィッシャーサイエンティフィックが発刊するライフサイエンス情報誌「NEXT」2016年12月号からの抜粋です。
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