血漿遊離DNAから去勢抵抗性前立腺がんの特徴を捉える(京都大学医学研究科 住吉崇幸氏)-「NEXT」2017年10月号掲載

血漿遊離DNAから去勢抵抗性前立腺がんの特徴を捉える(京都大学医学研究科 住吉崇幸氏)-「NEXT」2017年10月号掲載

QuantStudio 3D デジタルPCRシステムでアンドロゲン受容体遺伝子のコピー数変異を検出

住吉崇幸 氏 (京都大学大学院医学研究科泌尿器科学分野)

住吉崇幸 氏 (京都大学大学院医学研究科泌尿器科学分野)崩壊した腫瘍細胞から放出され血中を循環する血漿遊離DNA(cfDNA)に注目し、去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)の治療法選択に活かす可能性を検証中の京都大学医学研究科の住吉崇幸氏。Applied Biosystems™ QuantStudio 3D デジタルPCRシステムを使い、CRPC患者のごく微量のcfDNAからアンドロゲン受容体(AR)遺伝子のコピー数変異(CNV)を検出し、病原因子の解析を進めています。

ごく僅かなゲノム断片からARのコピー数増幅を割り出す

「CRPCとは、アンドロゲン除去治療による去勢状態により、血清中のテストステロン濃度が低いにもかかわらず病勢が増悪しているケースを指します。CPRCで十分な治療効果を確保するために欠かせないのが、詳細な病原因子の解析」と住吉氏。さらにAR遺伝子の変異を解析する臨床上の意義について次の様に続けます。「CRPCの治療方針はAR系をターゲットにした薬剤を使うか抗がん剤を使うかの大別して2通りです。AR遺伝子に増幅や変異が起きていれば、ARシグナル系をブロックするより抗がん剤を優先するなどと判断材料になります」。実際にCRPC患者のおよそ3-4割にAR遺伝子のコピー数増幅、2割に変異が生じていると想定されます。「しかし侵襲性の高いバイオプシーは日常診療では行わないので、血液中のcfDNAからデジタルPCR法で高感度に病原変異を検出できれば非常に有用です」。

万全のテクニカルサポートで解析も安心

CNV解析で難しいのが、カットオフ値の設定。今回はどのように設定されたのでしょうか。「解析領域はARリガンド結合部位のイントロンにしました。AR遺伝子はX染色体上にあるので、対照のRNaseP遺伝子の存在量を1とすればARは0.5のはず。そこで健常男性の値にプラス2SDとなる0.8をカットオフ値に設定。その結果、約80例のCRPC患者の3割強にコピー数増幅がみられることを確認できました」と住吉氏は今回の結果を説明します。また、解析前には弊社のテクニカルサポートにも相談したそうです。「TaqManアッセイの設計やデータ解析は慣れないと不安なことも多いのですが、きめ細かいサポートのおかげでスムーズできました。新しい技術なので、このような支援はとても助かりました」と住吉氏。
「今後はコピー数変異よりもさらに低頻度のAR遺伝子変異の解析も進める予定です。cfDNAはインプット量が極微量なので変異検出はリアルタイムPCRシステムではほぼ不可能であり、次世代シーケンスやデジタルPCRで行っていきます。また末梢血循環腫瘍細胞(CTC)を用いた研究にも取り組みたい」と話します。CTC由来のcDNAやcfDNAのような極微量の遺伝子情報をデジタルPCRシステムで高感度に解析する、次世代の基礎研究が進んでいます。

微量核酸からコピー数多型(CNV)を高感度に検出
QuantStudio 3D デジタルPCRシステム

QuantStudio 3D デジタルPCRシステムは、コンパクトで使いやすいデジタルPCRシステムです。CNV解析では、Applied Biosystems™ TaqMan® Copy Number Assaysとして、イントロンを含む全ゲノム領域に対してヒトでは160万種類、マウスでは18万種類のデザイン済みアッセイを提供中です。

 

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高感度な遺伝子変異解析を実現!
TaqMan dPCR Liquid Biopsy Assays

TaqMan dPCR Liquid Biopsy AssaysApplied Biosystems™ TaqMan® dPCR Liquid Biopsy Assays は、がん研究に欠かせないがん関連遺伝子(EGFR, BRAF,KRAS, PIK3CA, JAK2 ,他)の変異を感度よく検出するバリデーション済みのアッセイシリーズ。0.1%程度の変異を検出します。

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ライフサイエンス情報誌「NEXT」

「NEXT」2017年10月号当記事はサーモフィッシャーサイエンティフィックが発刊するライフサイエンス情報誌「NEXT」2017年10月号からの抜粋です。
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