0.1%のJAK2 p.V617変異アレルを高感度に定量(三重大学医学部附属病院 中谷中氏、池尻誠氏)-「NEXT」2017年12月号掲載

0.1%のJAK2 p.V617変異アレルを高感度に定量(三重大学医学部附属病院 中谷中氏、池尻誠氏)-「NEXT」2017年12月号掲載

コンパクトなデジタルPCRシステムで遺伝子変異を高精度に解析

中谷 中 氏(三重大学医学部附属病院中央検査部教授)
池尻 誠 氏(三重大学医学部附属病院中央検査部)

中谷 中 氏(三重大学医学部附属病院中央検査部教授)「がんという疾患の本質は遺伝子の変化であり、将来的には臓器別ではなく遺伝子変異のタイプ別のがん治療が基盤となってくるはず」と話す三重大学医学部附属病院教授の中谷中氏。中央検査部の池尻誠氏と共に、がんの診断や治療に役立つ検査法を研究、開発しています。分子標的薬の急速な進歩に伴いコンパニオン診断も一般化しつつある現在、迅速で正確な検査法が求められます。今回は、Applied Biosystems™ Quantstudio™ デジタルPCRシステムによる変異型JAK2遺伝子の高感度検出系の開発への取り組みについて伺いました。

デジタルPCR法でJAK2変異アレルを高感度に定量解析

クローン性血液系悪性腫瘍であり、フィラデルフィア染色体陰性のMPNにはJAK2 p.V617F変異が高頻度に認められます。JAK2は本来、エリスロポイエチン依存的に赤血球の増殖を促しますが、JAK2 p.V617Fは機能獲得変異であり、赤血球が恒常的に増殖し発病します。中谷氏は「この遺伝子変異に対する標的医薬薬も開発されていることから、変異型アレルの定量は病態把握や治療効果のモニタリングに活用でき、高感度な検査法開発がました。「この検査には、遺伝性腫瘍の原因遺伝子を検索する『遺伝性腫瘍の網羅的がん遺伝子的検査(ミライ-G)』と一般的ながんにおける体細胞遺伝子変異を検出する『網羅的がん遺伝学的検査(ミライ-S)』があります。ミライ-Gは、400を超える多数の遺伝子を網羅的に探索し、病気の原因の明らかにします。ミライ-Sは、50を超えるがん関連遺伝子変化を調べ、最適の薬剤選択や、術後のフォローアップに活用することができます」と中谷氏は語ります。「異なる臓器のがんでも、原因となる遺伝子変異は共通する場合もあります。遺伝子検査の重要性を社会に広めていきたい。そのために患者さん自身が理解し、主体的に受けられる遺伝子検査体制を整えました」と続けます。高精度な臨床検査がより身近になる未来を見据え、両氏は臨床で通用する質の高い検査法の開発を進めていきます。必要です」と語ります。検査法開発を担当する池尻氏は次のように定量法についてコメントします。「変異アレルを組み込んだプラスミドを100%、50%、10%、5%、1%、0.1%、0%の割合で野生型プラスミドと混合し、変異アレルの割合をデジタルPCRシステムで測定しました。測定値は理論値と良好な相関が得られ(r=0.9980)、0.1%まで検出できました。ダイレクトシークエンスや現行法のQ probe法を試したことがありますが、それぞれの感度は20%と5%程度。健常群と疾患群を分けるカットオフ値は1%程度と見積もられているので、検査にはデジタルPCR法の感度が必要となります。また汎用されているリアルタイムPCR法では、野生型と変異型遺伝子の標準物質の入手や検量線作製に手間やコストがかかります。デジタルPCRは条件設定も簡単で、同時再現性でも良好な結果が得られました。JAK2 p.V617F変異アレル定量に有用だと考えています」。

分門横断的な遺伝子検査へ向けて

三重大学医学部附属病院は2017年8月から、次世代シークエンサーを活用した網羅的がん遺伝子検査: Mie University Hospital Laboratory Cancer Test Initiative(MiLaI、ミライ)をスタートさせました。「この検査には、遺伝性腫瘍の原因遺伝子を検索する『遺伝性腫瘍の網羅的がん遺伝子的検査(ミライ-G)』と一般的ながんにおける体細胞遺伝子変異を検出する『網羅的がん遺伝学的検査(ミライ-S)』があります。ミライ-Gは、400を超える多数の遺伝子を網羅的に探索し、病気の原因の明らかにします。ミライ-Sは、50を超えるがん関連遺伝子変化を調べ、最適の薬剤選択や、術後のフォローアップに活用することができます」と中谷氏は語ります。「異なる臓器のがんでも、原因となる遺伝子変異は共通する場合もあります。遺伝子検査の重要性を社会に広めていきたい。そのために患者さん自身が理解し、主体的に受けられる遺伝子検査体制を整えました」と続けます。高精度な臨床検査がより身近になる未来を見据え、両氏は臨床で通用する質の高い検査法の開発を進めていきます。

微量核酸から最小0.1%の遺伝子変異を検出
QuantStudio 3D デジタルPCRシステム

QuantStudio 3dQuantStudio3DデジタルPCRシステムは、コンパクトで使いやすいデジタルPCRシステムです。拡張性に富んだチップを採用し、絶対定量なので、検量線を作製する必要がなく、個人差や施設に影響されず解析できます。遺伝子変異解析では、バリデーション済みのApplied Biosystems™ TaqMan® dPCR Liquid Biopsy Assaysとして、がん研究に欠かせないがん関連遺伝子(EGFR, BRAF, KRAS, PIK3CA, JAK2 他)の変異を感度よく検出できます。
またコピー数変異(CNV)解析では、TaqMan Copy Number Assaysとして、イントロンを含む全ゲノム領域に対してヒトでは160万種類、マウスでは18万種類のデザイン済みアッセイを提供中です。

QuantStudio 3D デジタルPCRシステムの詳細情報やデモのお申込みはこちらから

ライフサイエンス情報誌「NEXT」

「NEXT」2017年10月号当記事はサーモフィッシャーサイエンティフィックが発刊するライフサイエンス情報誌「NEXT」2017年12月号からの抜粋です。
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