「希少・未診断疾患」研究にゲノム解析で挑む (名古屋市立大学 新生児・小児医学分野 齋藤伸治氏)-「NEXT」2018年7月号掲載

「希少・未診断疾患」研究にゲノム解析で挑む (名古屋市立大学 新生児・小児医学分野 齋藤伸治氏)-「NEXT」2018年7月号掲載

次世代シーケンサとSeq Studio Genetic Analyzerを効率的に活用

齋藤伸治氏(名古屋市立大学医学研究科新生児・小児医学分野教授)

齋藤伸治氏(名古屋市立大学医学研究科新生児・小児医学分野教授)

「小児の神経疾患における遺伝学的解析を長らく行ってきました。特に原因不明で診断がつかない疾患(未診断疾患)や希少ゆえに診断困難な疾患(希少疾患)の原因遺伝子を特定し、その背景となる分子メカニズムの解明に取り組んできました」と語る名古屋市立大学教授の齋藤伸治氏。希少未診断疾患を対象に遺伝子検査体制の構築を目指し、日本医療研究開発機構が進めるIRUD(未診断疾患イニシアチブ)に参画し、次世代シーケンサ(NGS)を用いた全エクソームとパネル解析、そしてサンガーシーケンス解析を組み合わせて、精力的に研究を進めています。

齋藤氏(写真右)と大学院生の家田大輔医師(写真左)

希少・未診断疾患研究におけるサンガーシーケンス解析の役割

「NGSの登場により、希少未診断疾患の原因遺伝子の同定は飛躍的に増えています。IRUDでも未診断疾患の約3割に対して疾患原因に関する情報を提供できるようになりました。もちろん原因遺伝子が特定されても、必ずしも効果的な治療法があるとは限りませんが、その分子基盤が明らかになることで疾患概念を整理できることは大きな進歩です。正しく知ることは非常に重要です」と研究の意義を説明します。齋藤氏らは、昨年、希少未診断疾患のひとつであるVici症候群を引き起こす原因遺伝子としてオートファジー関連遺伝子EPG5の変異バリエーションと機能解析を報告しました。「疾患の原因となる分子基盤が分かれば症状との関連性を理解できるようになり、毎回遺伝子解析を行わなくても高い精度で診断できる可能性がでてきます」と話します。この研究では、NGSによる全エクソーム解析結果から候補遺伝子群を絞り込み、その情報を基にIon AmpliSeq™ テクノロジーとIon PGM™システムでターゲットシーケンスを実施して原因遺伝子を特定しまた。「論文投稿にあたり、遺伝子変異の確認はNGSだけでなくサンガー法でも行う必要があります。全エクソーム解析は外部機関に委託しますが、サンガーシーケンスは研究室に新しく導入したSeqStudio Genetic Analyzerで迅速に行いました」と齋藤氏は語ります。

誰でも使えるキャピラリシーケンサ

「以前はキャピラリ交換が大変で、作業できる人が限られていましたが、SeqStudio Genetic Analyzerはカートリッジ式なので誰でも行えます。臨床の研究室なので業務の合間に実験することも多く、操作の簡略化は私たちにとって大きなメリット」と限られた時間内で着実に研究を進めるポイントを指摘します。

未診断の患者さんに役立つ研究を

「臨床研究において、遺伝子解析を行う機会が確実に増えています。診療の一環に取り入れられる可能性も想定されています。研究面でも新たな疾患遺伝子の発見や既知遺伝子の変異同定により、機能解析などの研究の幅が広がっていくはず。外注や共同実験室等で次世代シーケンサを利用し、研究室のキャピラリシーケンサで補助作業や確認作業を行えば、個別の研究室でも希少疾患のゲノムワイドな遺伝子解析が行える時代です。診断を求めて医療機関を渡り歩く(diagnostic journey)希少疾患の患者さんがいますが、その負担を少しでも減らしていきたいと思っています。今後、イントロンや調節領域、遠位エンハンサーなどエクソン以外の異常にも解析対象を広げてさらに疾患研究を深めていきたい」と齋藤氏は今後の展望を語ります。

※’Defects in autophagosome-lysosome fusionunderlie Vici syndrome, a neurodevelopmentaldisorder with multisystem involvement’ Hori I. et al.Sci Rep. 7:3552(2017)

スピーディーで使いやすい4本キャピラリのDNAシーケンサ
SeqStudio Genetic Analyzer

SeqStudioApplied Biosystems™ SeqStudio™ Genetic Analyzerは、簡単なクリックだけで、サンガーシーケンス解析とフラグメント解析を実施できるキャピラリシーケンサです。オールインカートリッジ方式なので初心者にも使いやすく、次世代シーケンスデータとの高い相関性を確認済みです。

SeqStudio Genetic Analyzerの詳細情報はこちら

ライフサイエンス情報誌「NEXT」

「NEXT」2018年7月号

当記事はサーモフィッシャーサイエンティフィックが発刊するライフサイエンス情報誌「NEXT」2018年7月号からの抜粋です。
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