自己免疫疾患に関連するC型レクチン受容体の機能理解を目指して(東北医科薬科大学医学部免疫学 中村晃 氏/海部知則 氏)-「NEXT」2018年7月号掲載

自己免疫疾患に関連するC型レクチン受容体の機能理解を目指して(東北医科薬科大学医学部免疫学 中村晃 氏/海部知則 氏)-「NEXT」2018年7月号掲載

Attune NxT Flow Cytometerで溶血せずに免疫細胞を解析

中村晃 氏(東北医科薬科大学医学部免疫学教室教授)
海部知則 氏( 東北医科薬科大学医学部免疫学教室講師)

中村晃 氏(東北医科薬科大学医学部免疫学教室教授)

「免疫細胞には免疫反応を活性化する受容体だけでなく、その機能を抑制する受容体も発現しており、抑制型受容体が自己免疫疾患や感染症などに幅広く関連していることが明らかになりつつあります」と語る東北医科薬科大学教授の中村晃氏(写真左)。講師の海部知則氏(写真右は、IL-1およびその下流で活性化される遺伝子の一つで、抑制型受容体である樹状細胞免疫受容体(DCIR)に注目し、その機能解明に取り組んでいます。

免疫系と骨代謝系を抑制的に制御する受容体

DCIRは、抗原掲示細胞である樹状細胞で主に発現するC型レクチン受容体の一つで、免疫反応を抑制的に制御すると考えられています。海部氏は東京理科大学生命医科学研究所の岩倉洋一郎氏との共同研究のもと、DCIRの機能欠損マウスなどを用いてDCIRの機能解明に取り組んでいます。その結果、DCIRは唾液腺炎などの自己免疫疾患を抑制するだけでなく、軟骨細胞の増殖も負に制御していることがわかってきました。海部氏は「DCIRは、免疫系と骨代謝系の両方を抑制的に制御するユニークな受容体分子です。DCIRとリガンドとの相互作用を解明することで、生体内制御機構を包括的に理解したいと考えています。そのために、現在リガンドの同定を試みています」と語ります。

全血解析で再現性の担保につなげる

免疫細胞を解析するうえで欠かせないフローサイトメーター。海部氏は、「2年程前に、Attune NxT Flow Cytometerが溶血せずに全血で解析できると知り、最初は信じられない気持ちでした。そこでデモを依頼し、の目で確かめました」と導入のきっかけを振り返ります。「解析したい免疫細胞は赤血球に比べて圧倒的に数が少ないので、通常のフローサイトメーターでは、事前に溶血して赤血球を破壊して取り除く必要がありました。しかし時間が限られ、経験が少ない学生実習などでは煩雑な作業はなるべく敬遠したいので、全血のまま流せるAttune NxT Flow Cytometerの技術は助かります」(海部氏)。溶血が不要なのは、超音波を用いて細胞をキャピラリの中心軸に沿って一列に整列させるアコースティックフォーカシング技術が用いられているため。「溶血作業は細胞へのダメージや収量が減る要因ともなります。特に、研究で用いるヒトのサンプルは少量で採血回数も限られるので、作業を簡便化することで貴重なサンプルを効率的に活用できます。また目詰まりしにくく、サンプルをメッシュに通さなくて済むという点も多サンプル解析の時に重宝しています。シンプルな操作やサンプルの節約は再現性の担保にもつながっていると思います」と海部氏。同技術はシース液の消費量も削減でき、使用後の片づけも時間がかからないという利点もあります。

使う人が増えるほど時間的メリットが大きい

導入した2台のAttune NxT Flow Cytometerのうち、1レーザーは 主 に学生実習向けの共通機器として、4レーザーは研究者用に使われており、海部氏らは4レーザーでヒト・マウスサンプルを最大14色の蛍光で検出しているとのこと。「多重解析で必要な蛍光補正(コンペンセーション)が自動化されているので、スタートアップは約30分で済みます。終了後も自動洗浄なので時間を節約でき、ユーザーフレンドリーですね。今後、臨床の研究者も含めて多くの人が使うようになると思 いますが、この利便性と時間的メリットは大きいと思います」と、海部氏は共通機器としてのメリットも指摘します。免疫細胞の迅速な解析によってDCIRの機能解明、そしてDCIRに関連する疾患理解や治療法開発が加速することが望まれます。

ストレスのないマルチカラー解析を実現
Attune NxT Flow Cytometer

AttuneInvitrogen™ Attune™ NxT Flow Cytometerは、最大4レーザーで14色検出可能なフローサイトメーターです。アコースティックフォーカシング技術により高流量で測定でき、レアイベントや全血サンプルを感度よく解析できます。コンパクトサイズで、稼働音も気になりません。

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ライフサイエンス情報誌「NEXT」

「NEXT」2018年7月号当記事はサーモフィッシャーサイエンティフィックが発刊するライフサイエンス情報誌「NEXT」2018年7月号からの抜粋です。
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