iPS細胞を使う病態モデリングから創薬スクリーニングへ、 難治性筋疾患の治療薬開発に向けて(京都大学iPS細胞研究所 藤原慧 氏)-「NEXT」2018年7月号掲載

iPS細胞を使う病態モデリングから創薬スクリーニングへ、 難治性筋疾患の治療薬開発に向けて(京都大学iPS細胞研究所 藤原慧 氏)-「NEXT」2018年7月号掲載

プレキャストゲルBoltで病態モデリングを効率的に

藤原慧 氏(京都大学iPS細胞研究所 臨床応用研究部門 櫻井研究室研究員)

京都大学iPS研究所櫻井研究室では難治性筋疾患の治療法や薬剤開発を目指して研究を進めています。これまでに確立した分化誘導法で作製したiPS細胞由来の骨格筋細胞を使えば、in vitroで病態モデリングや薬剤応答の解析が可能になります。研究員の藤原慧氏は、特に希少な難治性筋疾患であるミオチュブラーミオパチーの病態再現モデルの構築や櫻井研究室で作製されたポンペ病の病態モデルを用いた創薬スクリーニングに取り組んでいます。「患者由来の骨格筋細胞を慎重に解析し、疾患特有のフェノタイプを見極めています」と話す藤原氏に、研究概要とBoltプレキャストゲルの使用感を伺いました。

難治性筋疾患の治療薬開発に向けたアプローチ

骨格筋細胞の分化誘導について藤原氏は、「ドキシサイクリン添加による転写因子MYOD1 の強制発現により、3日程度でiPS細胞は細長い形態へと変化し、5日程度で骨格筋細胞へダイレクトに分化します」と説明します。これまでに櫻井研究室で確立された骨格筋細胞への分化誘導法は簡便で安定的です。そのため、難治性筋疾患の病態モデリングが加速し、創薬スクリーニングにも取り組むことが可能になりうと泳動時間は20〜30分とスピーディーで、得られるバンドは自作のゲルと比べて歪みが少なくシャープですね」(藤原氏)。またウェルがくさび形なので、サンプルのアプライがしやすいのもBoltゲルの特長です。「ウェルからサンプルが漏れにくいため精度よく定量できて、リン酸化の増減を再現性良く評価できます」と話します。藤原氏らは約1,200種の既存薬ライブラリーを使った大規模なスクリーニングも並行して行っており、治療薬として有効なものを調べています。「理想はドラッグリポジショニングです。開発コストを削減できて、承認も早いことが既存薬を用いるメリットですが、候補化合物を見つけ出すことは簡単ではありません」と、スクリーニングの難しさを語ります。電気泳動などのルーチンワークを再現性よく効率化し、迅速な病態モデリングと有効な治療薬開発を目指して、藤原氏はこれからも研究を続けます。ました。ミオチュブラーミオパチーの原因と目されるMTM1 遺伝子変異は、PI3Pの脱リン酸化不全を来します。「その結果、細胞内の膜系にさまざまなフェノタイプが生じうるので、どれが疾患特有の変化かを見極めが 重 要で す。CRISPR/Cas9システ ムを用いて遺伝子変異を修復し、レスキューされる疾患特異的フェノタイプを確認しています」と藤原氏。

一方ポンペ病モデルについては基礎的研究の段階から効果的な治療法探索へと移っています。「アルグルコシダーゼアルファを用いた補充療法が確立されていますが、骨格筋への送達効率を高める必要性が明らかになりました。現在、アルグルコシダーゼアルファの取り込みを促進する化合物のスクリーニングに着手しています」と話します。

再現性の高いプレキャストゲルを病態モデリングに活かす

ミオチュブラーミオパチーの病態モデルについて、「MTM1 遺伝子変異によるPI3P脱リン酸化異常が、mTORシグナル経路異常を招いている可能性を視野に、リン酸化抗体を使ったウェスタン解析を頻繁に行っています。Bolt Bis-Tris Plus Gelsを使うと泳動時間は20〜30分とスピーディーで、得られるバンドは自作のゲルと比べて歪みが少なくシャープですね」(藤原氏)。またウェルがくさび形なので、サンプルのアプライがしやすいのもBoltゲルの特長です。「ウェルからサンプルが漏れにくいため精度よく定量できて、リン酸化の増減を再現性良く評価できます」と話します。

藤原氏らは約1,200種の既存薬ライブラリーを使った大規模なスクリーニングも並行して行っており、治療薬として有効なものを調べています。「理想はドラッグリポジショニングです。開発コストを削減できて、承認も早いことが既存薬を用いるメリットですが、候補化合物を見つけ出すことは簡単ではありません」と、スクリーニングの難しさを語ります。電気泳動などのルーチンワークを再現性よく効率化し、迅速な病態モデリングと有効な治療薬開発を目指して、藤原氏はこれからも研究を続けます。

シャープなバンドで、ウェスタンブロティングを鮮明に
Bolt Bis-Tris Plusゲル

Bolt BisInvitrogen™ Bolt™ Bis-Tris Plus ゲルは、変性条件下のゲル電気泳動においてさまざまな分子量のタンパク質を最適に分離するプレキャストのポリアクリルアミドゲルです。
室温で16か月保存でき、タンパク質修飾を最小限に抑える中性pH環境で泳動します。
ユニークなくさび型をしたウェルなので、従来よりも多量のサンプルをアプライできます。

Bolt Bis-Tris Plusゲルの詳細情報はこちらから

ライフサイエンス情報誌「NEXT」

「NEXT」2018年7月号当記事はサーモフィッシャーサイエンティフィックが発刊するライフサイエンス情報誌「NEXT」2018年7月号からの抜粋です。
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